近年さまざまな「代行サービス」が流行っていますが、犬の散歩を代行するサービスも存在します。資格が必要ないため、ペットシッターの業務以外としてもマッチングアプリを使用して依頼するような方も増えています。
ペットの散歩代行を依頼するとペットが普段と異なる環境で予期せぬ動きをすることがあります。散歩代行をしている業者やペットシッターが噛まれる可能性はある程度事前に予測・予想できると思いますが、全く関係ない第三者にケガをさせてしまう可能性もあります。そうなると責任は飼い主にあるのか・ペットシッターにあるのかで議論・トラブルになる可能性があります。ただし、基本的には動物の占有者であるペットシッターが責任を負うことが一般的です。
ペットはかけがえのない家族ですから、飼い主からすると代わりが効かない大切な存在です。ペットの散歩代行はペットからすると「初対面の人」から散歩に連れ出されることになりますので、恐怖を感じることもあるでしょう。本能的に暴れたり逃げ出したりしてしまうと、そのまま見つからなくなってしまう可能性すらあります。ペットはモノではありませんから弁償して終わり、というわけにもいきませんので、大きなトラブルになる恐れがあります。
普段飼い主と過ごしているペットの散歩代行を依頼するとなると、普段と違う環境になります。そうなるとペットにも多少のストレスがかかりますので、いつもと違う動きをする可能性があるでしょう。散歩中にケガをしたり遊んでいる最中に脚を傷めたりすると、その責任の所在についてトラブルになる可能性があります。散歩代行をした人は「散歩させていただけ」という主張をするでしょうから、飼い主との間で訴訟問題にまで発展する恐れがあるでしょう。
民法にある「動物の占有者等の責任」は、散歩代行などの場面を想定して定められています。ペットを管理する責任があるのは「飼い主」ではなく「占有者」であり、散歩代行においては預かっている人が占有者にあたります。占有者の管理下にあった動物が他者を傷つけた場合は占有者が責任を負うと定められていますが、飼い主が事前にペットの性質などについて説明をしていなかった場合はこの限りではありません。
ペットは家族の一員として大切にされていますので、何かトラブルがあると訴訟問題に発展することもしばしばあります。どういったトラブル事例があるかを知っておくことにより、いざという時に落ち着いて対応できるようになるでしょう。
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