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ペット保険

近年のペットブームやペットの家族化により、「ペット保険」の加入率も上がってきたようです。
同時に、ペット保険の市場規模も年々大きくなっています。

※出典:アニコムグループ「中期経営計画2022-2024」(https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/di7eo1/)

それに伴い、ペット保険のトラブルもちらほらでてきているようです。
ここでは、ペット保険のトラブル例や対策、ペット保険市場に参入する法人様向けの成功するコツなどについて紹介していきます。

目次

ペット保険とは

ペット保険とは、主に犬や猫などのペットがケガや病気で治療を受けたときに、治療費を補償してくれる保険です。

「通院」「入院」「手術」が補償の対象で、一般的には、1年ごとの更新で一生涯補償をしてくれます。

ペットには人間の健康保険のような制度がなく、病院での治療費は全額自己負担です。ペット保険に加入しておけば、万が一の際も飼い主の負担を軽減してくれるでしょう。

ただし、保険料は年齢とともに上がる可能性があります。また、更新時の健康状態などによっては、更新できないケースもあります。

ペット保険にまつわる
あるあるトラブル

よくあるトラブルとは

ペットの種類や病気は多様な上、商品によって補償する範囲や金額などが異なるため、ペット保険ではさまざまなトラブルが発生しています。

非常に多いのが、「受け取れると思った保険金が受け取れなかった」「思ったほど保険金がもらえなかった」というもの。

「治療費全体で20万円かかったのに、保険金は10万円しか支払われなかった」「2週間入院したのに、10日分しか補償されなかった」「ヘルニアで入院・通院したのに、保険金を受け取れなかった」といった人が少なくありません。

飼い主とのあるある
ペット保険トラブル回避法

補償対象外ということをしっかり説明する

保険にさえ加入していれば、どんな治療でも補償してもらえると考える人が多いようです。しかし、治療の内容によっては補償の対象外となることがあるため、加入前にしっかりと補償内容を説明することが大切です。

例えば、避妊手術は、病気ではないため支払いの対象になりません。また、保険商品によっては、椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)など比較的ペットがかかりやすい病気を補償の対象外としているものもあります。

トラブルを避けるためには、重要事項説明書を用意し、契約者にサインをもらっておくのがおすすめです。

保険適用外のケースもしっかり説明する

ペット保険の加入時に、免責金額を見落とす人も多いようです。

免責金額とは、保険で補償を受ける際の自己負担額のことです。例えば、免責金額が5,000円に設定されている保険では、治療費が5,000円を下回る場合、保険金は支払われません。治療費が10,000円だった場合は、免責金額5,000円を差し引いた5,000円が支払われます。

よく確認しないまま契約してしまい、後から免責金額に気づく人もいるので、こちらも加入前にしっかりと説明することが大切です。

支払限度額など、費用面の限定条件も
しっかり説明する

保険の内容によっては、支払限度額が設定されている場合もあります。例えば、補償割合が50%の保険で治療費が20万円かかった場合、支払われる保険金は10万円です。

保険商品によって、1日あたりの支払限度額が決められているもの、「一年間の支払保険金の合計額は60万円まで」などと設定しているもの、治療形態ごとに限度額が設定されているものなどさまざまです。

支払限度額が少ないほど月々の保険料が安いため、保険料だけを見てプランで契約した場合は、後々トラブルが起きる可能性があります。このため、加入前に丁寧に説明を行いましょう。

加入できないペットがいることも
事前説明する

人の保険と同じように、持病があるペットは保険に加入しづらい場合があります。ただし、持病があるから全てダメというわけではなく、「保険会社が指定する病気に罹患した場合は不可」「疾患があっても条件付きで加入可能」「過去の保険金の支払状況等によっては不可」などさまざまなケースがあります。

また、多くのペット保険は初年度に加入した後は、1年ごとの自動更新となりますが、保険会社によっては、ペットの健康状態によって更新時に保険料がアップする場合や、補償内容の制限を受け入れなければ更新できない場合があります。

保険によっては審査が必要なものもあるため、その旨よく説明しておきましょう。

ペット保険の運用で
経営破綻しないために
注意すべきポイント

保険会社は、保険料として集めたお金を運用することで安定した会社経営を行っています。

万が一、自然災害などで巨大な支払が生じたり、保険料の運用の失敗など「通常の予測を超える危険」が発生した場合でも、ちゃんと保険金が支払えるよう、日頃から備えているのです。

そうした「保険会社の備え」を表す数値が、ソルベンシー・マージン比率(支払い余力)です。通常は、200%以上あれば問題ないとされています。

ペット保険市場に
参入する方向け

ペット保険は、2005年に保険業法が改正されて以降、損害保険会社や少額短期保険業者が提供するようになりました。

特にここ数年は市場が拡大を続けており、新規参入も増加。主要保険会社の保険料収入が毎年増加する一方、ペット保険の加入率は12~13%※と加入余地が大きいことから、今後も契約件数は増えていくと見込まれています。

ペット保険市場に参入する方法には、自身が保険会社として加入者を募集する方法と、すでに保険を販売している会社の代理店になる方法とがあります。いずれもしっかりとした商品知識や満足できるサービスを提供することが大切です。

※参照元:ダイヤモンドオンライン(https://diamond.jp/articles/-/313163)2023年3月調査時点

編集チームまとめ

安定した事業経営を行うためには、法律違反をしたり、訴訟を起こされたりしないよう、予防策や対応策をあらかじめ講じておくことが大切です。

特に保険商品は複雑で、理解しづらいお客さまも少なくありません。誤った情報を与えるとトラブルになるため、あらかじめ法規制やペット業界に精通した弁護士に気軽に相談できる体制を整えておいた方が良いでしょう。

ペット弁護士®なら、業界の事情もふまえた上で、トータルにサポートをしてくれます。

取材協力
弁護士法人なかま法律事務所
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「人も動物も豊かに暮らせる社会を実現する」を理念に、横浜市で事務所を構える弁護士事務所です。ゆっくり丁寧にヒアリングを行い、迅速に対応する「SLOW&QUICK」を実践。ペット法務では、ペット法務やビジネスに精通したスペシャリストが、高品質なサービスを提供しています。

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