ペットを巡る訴訟は年々増加しています。一度でも訴訟を起こされてしまうと、安定した事業経営が行えなくなる可能性もあるため、予防策を講じておきましょう。
ここでは、ペットフード事業者のための訴訟対策について、当メディアのアドバイザーも務めてくださっている、ペット弁護士®先生、中間さんが解決した実際の相談事例を基に、専門家はどのように解決したのか、また、トラブルや訴訟になる前にできたことなどをインタビューでうかがってきました。
なかま法律事務所は、動物病院・ペットビジネス事業者のペット法務に注力している数少ない弁護士事務所です。
代表弁護士である中間隼人さんは、(一社)ペットライフデザイン協会の代表理事(2023年4月から)や(一社)犬猫生活福祉財団設立及び評議員などをつとめる専門家。ペット業界の法務に関するアドバイザーを数多く務める他、法人・開業医向けのトラブル防止セミナーも定期的に開催しています。
購入したお客さまから、「購入したフードの中に小さな虫が入っていたので、返金してほしい。店舗の保管状況を確認したいから保管場所の写真を送ってほしい。対応できないのであれば保健所に通報する」と連絡がありました。
さらに、当該購入者と思われる人が、店舗のGooglemapやSNSに書き込みをしているのを発見しました。購入したフードと虫の写真を掲載し、対応について不満を述べているようです。
これは営業妨害ではないでしょうか?対応を相談したいです。
詳細を伺ったところ、ペットフード業者様が販売した時点で、フード内に虫が混入していたかどうかは確認できず、店舗側に非があるとは必ずしも言い難い状況でした。
一方で、風評被害が拡大するリスクを考えて、徹底的に争う立場を示すよりは、ご迷惑をおかけしたことをお詫びしつつ返金対応をした方が良いのではないかとご提案しました。
はい。そこで、再発防止策を取る旨をお客さまにお伝えしつつ、SNSでの誹謗中傷行為を控えていただくということでお約束いただき、穏便な解決を目指しました。
また、この事例でご相談くださったペットフード事業者様からは、正式に顧問契約をいただきました。弊所が店舗運営会社の代理人となり、返金、再発防止策を講じる旨の誓約、誹謗中傷禁止を内容とする合意書を締結。無事解決を図ることができました。
ペットフードは、穀物等を原材料とする以上、製造過程において虫等が混入する可能性が0とは言えません。
今回のようなトラブルを未然に防ぐ、あるいは紛争拡大を防ぐためには、販売する際に購入者に注意書き等をお渡しすること、ECサイトの場合は、サイト上に利用規約を掲載するのがおすすめです。 店舗側に過失がない場合は責任を負いかねる旨を周知し、リスクをケアしておくとよいでしょう。
「責任を一切負わない」などと書いてしまうと、消費者契約法上無効になるかもしれないので、弁護士等の専門家のアドバイスを得ながら、法的に有効となる文言をよく検討する必要があります。
事実はどうであれ、ペットフードなのか、それとも販売店そのものなのか、どちらかに不満を持っていることは間違いない炎上ケース。
まずは飼い主さんの怒りをおさめ、風評被害がこれ以上広がらないように、誓約書・合意書といった法的処置でわだかまりなく解決できた、ペット事業関連の法律に精通したペット弁護士®ならではのお見本解決事例です。
書面の書き方、事前の対策として有効な周知文も、表現を少し間違えば、ペット以外の法律も関わってきて無効になる…なんてことがないように、信頼できる専門家とつながることをおすすめします。
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ペット用サプリメントを、自社運営ECサイトや、提携している動物病院を通して販売しています。
サプリメントのパッケージやホームページ、チラシ、メルマガ、獣医師向けの販促資料などの薬事チェックなどの法務相談をしたい。
おっしゃる通りです。付け加えると、ペットフードを扱う事業者様が行う広告活動には、法律で制限が設けられているので、十分な注意が必要です。
HP・チラシ・商品パッケージなど、会社として作成する販促物についてもれなく共有いただき、弊所で薬事チェックを行い、適宜修正文言などをご提案しました。
そうですね。そこでこの相談事例では、営業ご担当者様などを対象に、薬機法の勉強会を定期的に開催することになりました。社内のリーガルリテラシーを養成するサポートを提供しています。
ペットフードを扱う事業者様が行う広告活動は制限が設けられているので、愛玩用食品の法律関連をよく知る弁護士に頼むと安心です。
このメディアを作っている私たち編集チームも、業界ごとの専門メディアを制作していますが、広告に限らずネット上の法規は、対人間の法規ですら業界によって違うのと、年々厳しくなっているのを肌で感じています。
ペット業の場合はペットに特化した法律も散見されます。ユーザー誤認をさせる表現が著しい場合は、警告だけですまず、逮捕される可能性もあります。犬猫用サプリ通販会社の逸脱した広告表記(※)で記憶に新しいのではないでしょうか。
健全なペット事業を展開していくために、いつでも相談できる顧問弁護士は必要です。
社員様のリーガルリテラシーを上げる寄り添い方をしてくれる、弁護士法人なかま法律事務所のような弁護士事務所であれば安心ですね。
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いかがでしたでしょうか?
これは、ペットフード業界で起こったトラブルや相談の一例にすぎません。
被害が大きくなる前に対策できるように、一番のおすすめは顧問弁護士をみつけることではありますが、次にペットフード業へこれから参入する企業様もしくはこれから事業規模を大きくしていきたい法人様へ、知っておくと役立つ関連法規やトラブルを回避するためのコツなどをまとめてみました。併せて参考にしてみてください。
ペットフード安全法(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)は、2007年にアメリカでメラミンが混入した原料を用いて製造されたペットフードにより、犬や猫の大規模な健康被害が起きたことを受け、2009年6月に制定された法律です。
総合栄養食や一般食、おやつやスナック、ガム、サプリメント、ミネラルウォーターなどについて、製造方法や成分の規格を設定し、それらの基準・規格に合わないものの製造を禁止しました。また、ペットフード輸入業者と製造業者は、それぞれ届出と帳簿の備え付けが義務付けられています。
動物愛護管理法は、主に動物の虐待などの防止について規定された法律です。1973年に制定されて以来、時代に合わせて何度も改正が行われています。
基本的には、ペットの飼い方や接し方について規定している法律なので、主にペットの飼い主、ペットショップなどの販売店やブリーダーなどが対象ですが、ペット関連事業者として必ず知っておきたい法律です。
動物病院が行う広告活動には、薬機法(旧薬事法)で制限が設けられています。ペットフードについて、まるで医薬品であるかのように「○○の症状が治る!」など特定の病名や効能、効果などを記載してはいけません。
公式HPやチラシなどで商品説明を行う際は、医薬的な表記をしないよう気をつけましょう。
他にも、製造物責任法(PL法)や特定商取引法、消費者契約法など、さまざまな法律があります。
2009年に施行されたペットフード安全法で表示が義務づけられたのは、特に重要な項目だけです。にもかかわらず、ペットフードの成分表示を見ると、それ以上に細かい記載がなされているものが少なくありません。
実はこれは、ペットフード業界が自主規制を行っているからです。
2010年に公正取引委員会・消費者庁が定めた規約では、法令で定められた5項目の他に、ペットフードの目的、内容量、給与方法、成分の記載を義務づけ、違反に対して100万円以下の違約金を課すことができると定めています。
このため、販売するペットフードは、この規約のもとに成分表示を行うことが望ましいでしょう。
ペット事業には、細かな規定や基準が多く存在します。その上、法律はたびたび改正があったり、新しい省令も頻繁に出されます。
中には、課徴金といって多額のペナルティが課される場合もあるので、動物愛護法や環境省のホームページなどで、タイムリーな情報をよく確認しておきましょう。
WEB販売で注意したいのは、広告の出し方です。「このペットフードは○○の症状を改善します」などと効果を謳う表示をしてはいけません。
FacebookやTwitterなど、シェア機能が備わっているSNSも広告制限の対象になるので要注意。バナー広告やグーグルのリスティング広告などに出稿する際も、製品の表記などに気をつけましょう。
訴訟やトラブルを避け、安定した事業経営を行うためには、予防策や対応策をあらかじめ講じておくことが大切です。
「事業を行いながら、法改正などの情報をその都度キャッチアップするのは難しい」という事業者様は、法規制に精通した弁護士に気軽に相談できる体勢を整えておくのがおすすめ。
ペット弁護士®なら、業界の事情もふまえた上で、トータルにサポートをしてくれます。
「人も動物も豊かに暮らせる社会を実現する」を理念に、横浜市で事務所を構える弁護士事務所です。ゆっくり丁寧にヒアリングを行い、迅速に対応する「SLOW&QUICK」を実践。ペット法務では、ペット法務やビジネスに精通したスペシャリストが、高品質なサービスを提供しています。
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